Japanische Klassiker mit Furigana
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へきぎょくのわかざり
碧玉の環飾
田中 貢太郎
Lesen Sie 碧玉の環飾 (へきぎょくのわかざり) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.545 Zeichen · 6 Bildschirme
「袁長官の女で、御主人である」
と言った。
「御主人はもう結婚なされておるか」
と、孫恪がまた問うと、
「まだ結婚はなされていない」
と、少女が応えた。
その後で、女は少女といっしょに引込んでいったが、すぐ少女に茶菓を持たしてよこして、
「旅人の心に欲する物があれば、何によらず望みをかなえてやる」
と言わした。既に女に恋々の情を起している孫恪は、
「我は貧しい旅人で、学も才もないのに引代え、袁氏は家が富んでいるうえに、賢であるから、とても望まれない事であるが、もし結婚する事ができれば、大慶である」
と言って、結婚を申込むと、女は承諾して少女を媒婆にして結婚の式をあげるとともに、孫恪はそのまま女の家に居座って入婿となった。
そのうちに四年の歳月が経った。孫恪は某時、親戚の張閑雲という者の事を思いだして、久しぶりにその家へ往った。閑雲は孫恪の顔をつくづく見て、
「お前の顔色は非常に悪い、これはきっと妖怪に魅いられている」
と言ったが、孫恪は別にそんな心あたりもないので、
「別に怪しいと思う事もないが」
と不審する。
「人は天地陰陽の気を受けて、魂魄を納めている、もしその陽が衰えて陰が盛んになれば、その色がたちまち表に露われるが、本人には解らない」