Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんぴこんちゅうかん

神秘昆虫館

国枝 史郎

Lesen Sie 神秘昆虫館 (しんぴこんちゅうかん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.803 Zeichen · 213 Bildschirme

Aozora Bunko

「さあ何奴が知っているかな」吉次は依然として笑っている。と、話題を一変させ、「桔梗様もさらわれたということだの」

「山尼の連中がさらって行ったのさ」

「つまり囮に取ったってわけだな」

「え、何んだい、囮というのは?」

「つまり桔梗様を返すから、永世の蝶を引き渡せと、こう連中は云うつもりなのさ」

「ああ山尼の連中がね。そうすると桔梗様は可哀そうだねえ」

「可哀そうには相違ないが、どうも桔梗様という人は、少し見識が高すぎたから、たまには酷い目に逢った方がいいよ」

「見識の高い方がいいじゃアないか」

「そうだろうかなあ、そうだろうかなあ」吉次は何んとなく不満そうである。「が、見識の高い人は、他人の思いなどを受け入れないからなあ」

「おや」と松代は妙に思った。で、黙って吉次を見た。

滝が涼しそうに落ちている。小さな小さな滝なのである。滝壺の水面は泡立っている。日光が横から射しているので、滝の泡沫に虹がかかり、何んとも云えず美しい。

「そりゃアそうと、ねえ松代さん、俺らはお前さんが好きなんだよ」こんなことを云い出した。気恥ずかしそうなところがある。

「おや」ともう一度思ったが、松代は故意と何気なく、「妾もお前さんが大好きさ」