Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくざわゆきち
福沢諭吉
高山 毅
Lesen Sie 福沢諭吉 (ふくざわゆきち) von 高山 毅 (たかやまつよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.555 Zeichen · 109 Bildschirme
それに、ペリーがきてからは、日本国じゅうで、海のまもりや、陸の城づくりの話で大さわぎをしているときでしたから、諭吉は、いっそうこの本をよんでみたくなりました。しかし、かせといったところで、かしてくれるはずはありません。でも、うまくおだてたら、ひょっとしたら、という考えがうかんだので、
「いや、これは、まったくすばらしい本です。それを二十三両でお買いになったなんて、ほんとうにほりだしものです。オランダ語の勉強がうんとすすまれたから、こういうほりだしものをみつけられたんですね、きっと。わたしなどには、一年や二年でよみとおせるものではございません。けれども、せめて、絵図ともくじだけでも、一とおりはいけんしたいものですが、いかがでしょう、四、五日、かしていただけませんか。」
おもいきって、こう、きいてみました。すると、壱岐は、ほめられたのが、よほどうれしかったとみえて、
「ああ、いいとも。四、五日でよいなら、もっていきなさい。」
といいました。よろこんだ諭吉は、壱岐の気持ちがかわらぬうちにと、原書をだいじにかかえて、いそいで家にかえってきました。
さっそく、羽ペンと墨汁と紙を用意して、二百ページあまりの築城書を、かたっぱしからうつしはじめました。