Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記 (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.638 Zeichen · 233 Bildschirme
きっと等持院へ行くのであろう。御葬儀の当日から初七日までの等持院は、目あきばかりでゴッタ返していたからね。そこで盲は盲同士と、七日過ぎての会葬を、今日はゆっくりお練りで練ッて行くのであろうて」
まもなく、衣笠山の麓にたどりついた盲人の列は、順次、本堂での席序をただし、廻廊のそとにまですきまもないほど座についていた。
施主、検校覚一
当道之盲官一同
の名で、寺中へは多額な寄進もされ、つづいて東陵和尚の主導のもとに、盛大な追善が長々といとなまれる。そして終ると、一同はまた庭上に出て、土の色も宝篋印塔の石もまだ新しい
等持院殿仁山妙義大居士
の墓所へ順にぬかずいた。
それも長い時間がかかった。ひと口に盲官といっても、検校、別当、勾当、座頭の職位のほか、なお幾十階の下級もあるので、中には昔ながらの乞食放下や路傍の琵琶弾きそのままな盲者もたくさんいたのである。けれど、それらの盲にしてさえ、
「この将軍の御代に会って、わしらは初めて人なみになったのじゃ。目あきに馬鹿にされずともよく、目あきとひとしく職を持ってりっぱに生きて行ける者となったのじゃ」
という謝恩の念は胸にきざんでいるふうだった。