Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記 (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.598 Zeichen · 254 Bildschirme
たとえここへ頼って来ても、寄せつけることではありません」――と。
しかも、つねに心の底では。
どこにどう生きているのか。
倖せであれ。
どう零落れても、倖せでさえいるならば。
と、折にふれ、ひそかな祈りを内に抱いていた正成でもあったのである。
――すると、この春、弟の正季の口から、彼女が舟芸人の良人と共に、藤井寺の六波羅屯所へ曳かれていると聞いて、愕然としたものだった。
が、そこは散所ノ太夫義辰の領下なので、正季から、義辰の一子豊麻呂に事を打ち明け、その結果二人で、藤井寺をたずねて行ったところ、すでに卯木夫婦はその前夜、堂守の妙達にもだまって、どこへか、姿を消してしまった後だったのだ。
「探すな」
正成は、かたく、正季の心配や行動なども、それからは、封じていた。
時局は複雑だ。――卯木の連れ添う男には、その時局にからんでの、何か、機密が纒っている。――正成は、惧れたからだ。
「万一、そのため、累を楠木家におよぼしては」
と思い、また、しいて探して、現状の家門へ妹を入れることが、妹夫婦の幸福か否かも、わからないと思っていた。だから彼のきびしい「寄せつけるな」