Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しほんたいへいき
私本太平記(三)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(三) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 222.108 Zeichen · 446 Bildschirme
もし後日、正成が寸功を剋ち得たなら、この者たちを第一の功労としよう。あとの味方などは、寄るも寄らぬも、正成の旗色次第。まずは関東を相手に、一戦の上ならでは、寄りつくまい」
正成のことばどおり、やがて赤坂の一塁は急速に出来上ったが、そこへたてこもり得る兵力は、一族五百少々、近郡の武士百人足らずにすぎなかった。
累代、住み馴れた水分ノ館も、ゆうべの一睡をさいごに、いよいよ、今朝は立ち退くことになった。
正成以下の男どもはすべて“砦入り”して赤坂の陣地へうつり、妻の久子は女子供のすべてを抱え、ここからはるか山奥の千早村へ一時疎開せよといわれて、この朝、同時に引きはらうこととなったものである。
そんなあわただしい中にも、久子は、三方にかわらけを載せ、
「お門出のお祝いに」
と、出陣の古式に倣って、勝栗やらのしこんぶなどを良人に供え、つとめてホホ笑みを持とうとしていた。
「いい日だなあ。ちかごろにない小春日和」
正成もひどく今朝は機げんがよい。――いッそこうなってしまった帰結が、かえって彼をからりと定着させていたのだろうか。――あのジメジメと長雨に腐っている人みたいな怏々とした以前の陰影はどこにもなかった。