Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しほんたいへいき
私本太平記(三)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(三) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 222.108 Zeichen · 446 Bildschirme
「小右京はどうした、小右京の身は?」
と、もどかしげに、馬上からその者へ、直にたずねた。
急を告げに来た兵は、自責に晦んでいたし、怪我もしていた。相手との間に斬り合いがおこなわれたものとは、すぐわかる。
高氏は叱ッて。
「はやくいえ。場所はどこだ」
「はっ。ついそこの、新熊野の近くです」
「たしかに佐々木の家来なのか。待ちうけておったのは」
「あらわに、道誉どのが八方お捜し中の女、渡せと、迫ッて来たことですから」
「渡したのか。小右京を」
「なんで、渡しましょう。しかし、先は腕ずく、しかも大勢なので」
「小右京自身は」
「刃の下を、法住寺ノ池の方へ、ひた走り逃げたようでしたが、あえない悲鳴が聞えました。ざんねんですが、なンともはや」
「十郎っ」
高氏は、供へどなった。
「あとから来い」
癇しゃくをおこしたらしい。馬腹を蹴ッた。馬は馬体を斜めにしつつ逸散に大和大路のかどを東へ曲がって行った。
三十三間堂を横に、いちど瓦坂の下も駈けすぎたが、高氏はひらと馬首を回した。そしてそこの松原の木々の枝の下を、鞍屈みしながら走り抜けて、先に見えた一群の武者どもの前へ馳け迫り、
「佐々木の雑人ばら、待てっ」