Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(五)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(五) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 252.330 Zeichen · 505 Bildschirme
先祖もひとつの家同士よ。……されば和子もこの陣中では、父御になり代って、一方のおん大将であらねばなるまい。足利軍の大将は、千寿どの、あなたなのだ。……おわかりか」
「はい」
「む、よいお子だ。どこやら又太郎高氏のおもかげもある。……船田の入道」
「はっ」
「なんぞないかの。甘い物でも」
「持てまいりましょう」
「さしあげておけ」
そのまに、義貞は、紀ノ五左衛門から、これまでの経過を親しく訊いていた。
さきに、高氏と義貞との盟約のあいだには、
「鎌倉攻めの日には、一子千寿を御軍中に預ける」
「こころえた。しかと預かる」
という一条項も、ふくまれていたのであった。
他のどんな軍事上の提携よりも、高氏は、このクサビに他日のふくみを打ちこんでいた。――子を鎌倉の質子として去る親の立場から、その千寿王の生命を、義貞に保護させておくことにもなるし、また、
(鎌倉攻めは、新田だけの催しでなく、足利の一子と一軍も、参加していた)
となす、発言権をも、ここで将来のため、確保しておこうという考えがある。
義貞は、善意だった。この一約にかんするかぎり、彼はきわめて単純に、
「千寿王の参陣は、よろこばしい。