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Japanische Klassiker mit Furigana

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しほんたいへいき

私本太平記(五)

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記(五) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 252.330 Zeichen · 505 Bildschirme

Aozora Bunko

そして公卿はこれをすぐ、叡覧にいれたのだった。

まもなく。御座のあたりから、御喜悦と感動に震うお声がもれ、それはすぐ供奉の全員にも狂喜の渦をよびおこした。せつな福厳寺の内外は、わきかえるような歓声また歓声だった。

「鎌倉は陥ちた!」

「高時も自害とあれば」

「いまは六波羅もなし、東国の府もほろび、全北条は、地から消えた」

「しかも、還幸のご途上に、この吉報がとどくとは」

「去年の三月には、みかどの隠岐遠流を、人みな、ここでお見送りして悲しんだものだが」

口々の昂奮はやまず、どよめきはいつまで醒めなかった。――また後醍醐のお胸もこれに表現されていたといえよう。こうも早く鎌倉が陥ちるとは、まだまだ予期されていなかったことである。配所の一年余、隠岐脱出の苦難、思い出はつきあげて、おん瞼はふと熱かったに違いない。……すぐ三位ノ局廉子もこれを聞くやいなおそばへ来ていた。

また、同日。

赤松円心父子四人が、勢五百騎で、奉迎のお供にと、福厳寺へ参向してきた。折しものことである。龍顔わけてうるわしく、

「かかる日に会しえたのは、ひとえに汝らの忠戦の功による。いずれ恩賞は望みにまかすぞよ」