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Japanische Klassiker mit Furigana

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しほんたいへいき

私本太平記(五)

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記(五) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 252.330 Zeichen · 505 Bildschirme

Aozora Bunko

もっと、はなはだしい実例では、当事者の官人が、一ヵ所の領地を四、五人に与える沙汰書を発してしまい、

「ここは、おれのだ」

「いや、おれどもの土地だ」

と、武士同士の殺傷沙汰をおこすなどの騒ぎもあった。そのため、地方人の陳情団がのぼって来るやら何やらで、その政治的無能が呼んだ混乱と奇観は、奇観というより、いっそあわれなほどだった。

しかも、北条遺産の没収地には、限りがあり、恩賞不足、あるいは、恩賞未受の人数には際限がない。――鈍な武士大衆も、ここへきてみな考えた。どう考え出したかといえば。

「待てよ、このまま公家一統の天下で行ったら、一体、おれどもはどうなるのか。また平家以前の世のような、公家の番犬に逆戻りすることじゃないか」

不平の声は、さいげんなく、不平を呼ぶ。

忿懣の果て、彼ら武士大衆は、その野性と無知にまかせて、

「いったい、きのうの戦いは、たれのために戦ったのだ」

と、いい出した。

「おれどもは公家の番犬になるため戦ったのではあるまい。こんなことなら、いっそ昨日の北条天下のほうが、まだましだわ!」

その結果は、

あはれ、いかなる不祥事なりとも出来て

武家、ふたたび