Japanische Klassiker mit Furigana
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あきのかご
秋の駕籠
山本 周五郎
Lesen Sie 秋の駕籠 (あきのかご) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.356 Zeichen · 35 Bildschirme
――おまえさんは家主のくせにそんな生木を裂くようなまねをしていいのか。
与兵衛には意味がわからなかった。
――考げえてみろ、とかれらは云った、今は一緒にいるけれど、また喧嘩をすれば分れなければならない、そのとき隣りが空いていないとすれば一人はどこかよそへゆく勘定だから、つまり生木を裂くわけだろうじゃないか。
与兵衛は初めて了解した。けれども家主の立場としては、たとえ長屋の一軒にもしろ唯で空けてはおけなかった、そこで両者は相談をし、空いているときでも、二軒分の店賃を払うということで落着した。
二人は小ざっぱりと暮していた。食事は三度とも外で(殆んど魚金のことが多い)済ませ、家では煮炊きをしなかった。勝手には水瓶もないし、もちろん鍋釜も、その他の食器もなかった。古道具屋で買った箪笥がひとさおと、ちょっとした将棋盤と、それから掃除用の品があるだけだった。二人とも潔癖で掃除だけは欠かさなかった。水は使わないので、乾いた雑巾でつや拭きをするのであるが、上り框から敷居、柱、勝手のあげ板など、拭きこまれていい艶が出ていた。
かれらは京橋の北詰で辻待ちをした。