Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ちちぶのみやでんかにじしてやりがたけへ
秩父宮殿下に侍して槍ヶ岳へ
木暮 理太郎
Lesen Sie 秩父宮殿下に侍して槍ヶ岳へ (ちちぶのみやでんかにじしてやりがたけへ) von 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.876 Zeichen · 20 Bildschirme
有明神社から四時間とは費さないであろう。骨の折れる道という程の道ではない。しかし真夏の日盛りであるから暑さはきびしい。お伴の人達が汗にまみれる頃になると、殿下は清水の流れている木蔭や谷の隈で、そこらに転がっている岩の上又は丸太などにお腰掛けになって、お休みになる。尤も路のほとりに白い幔幕を張り廻して、御休息所らしいものがしつらえてあるにはあったが、御立寄りにならなかった。これは畏くも山の旅であるという御気持の上から、特殊の施設を避けさせられて、わざと御立寄りにならなかったものと有り難く拝察した。
温泉の在る所は海抜千四百六十米を超えている。温泉は山裾の各所から湧き出して、盛に蒸気を噴出しているものもあれば、沸々と熱い湯玉をたぎらしているものもある。湯の種類も湯の量も極めて豊富で、幾棟にも分れた建物に浴場が設けられ、湯は満々と湛えて而も溢れて止まない。実に気持のよい湯だ。其外蒸風呂もあれば湯滝もあり、泳げるような大きなプールさえも設けてある。そして余った湯は其儘小川をなして中房川に流れ入るのである。夫を見ると何だか惜しいような気がする。
殿下が温泉へ御着きになったのは午後二時半頃であった。