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Japanische Klassiker mit Furigana

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あさまさんろく

空にむかひて 若杉鳥子随筆集

若杉 鳥子

Lesen Sie 空にむかひて 若杉鳥子随筆集 (あさまさんろく) von 若杉 鳥子 (わかすぎとりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.542 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

沙沼を見て過ぎると、自動車は下妻の街に入った。東京連鎖劇一座という長方形の色の褪めた赤い旗が、ペロリと一枚、事務所のような建物の前に垂れていた。

その日は曇ってはいたが、水田の彼方に筑波は長い裾をひいて平和な姿に煙っていた。

もうそこから横瀬夜雨氏のお家はいくらもない。古い大きな門を入ると、障子の硝子から此方を覗いている師のお顔があった。

小さい百合子さんが喫驚した顔をして私を見つめていた。

南向きの縁側近くに師の机は据えてあった。洋傘を縁側へ置いて障子をさっと開けた時、まず私の瞳を射たものは、正面の仏壇の夥しい累々とした位牌だった。金色に光っていた。古い先祖代々のであろう。

「余り嘘ばかり云って先生や奥さんの信用を失くしましたから、譬え一時間でも二時間でもお目にかかり度くて参りました」

私はそういって坐った。

「あははははそうなければ信用の恢復ができませんからね……」

師は愉快そうに笑った。

奥さんは桑摘みにゆかれてお留守だった。

百合子ちゃんへおみやげの折紙を出して上げると、百合子ちゃんは真面目くさってそれを開け初めた。開けて見てさも心から嬉しそうに、