Japanische Klassiker mit Furigana
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くうちゅうせいふく
空中征服
賀川 豊彦
Lesen Sie 空中征服 (くうちゅうせいふく) von 賀川 豊彦 (かがわとよひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.687 Zeichen · 215 Bildschirme
「吉兵衛さん、よい加減にしておきなはれよ。わしはちっとも気は狂れておりやしまへんで、ただ世間並にしておりますのじゃ」
「世間並って、女郎屋するのが世間並だっか? 」
「そうやがな、お金が欲しいさかえ、女郎屋商売をするのやがな。お金が欲しいのは世間並だっしゃろな……あなただって、毛唐屋してござるのはお金が欲しいためばっかりやろな」
「いいや、正五郎はん、私はな、これでも近頃は少しもお金儲けということを考えてはおりまへんのやがな」
「ごまかしてはいけまへんで」
「ごまかしはしまへん。私はこれでも消費組合の理事をしておりまんね」
「消費組合っていうのはいったいなんどす? 」
「太閤さんを籠から出しなさい、そしたら話をしてあげますわ」
「困ったなア……じゃ恵比須屋の吉兵衛さんのニコニコに免じて、お猿さんを逃がしてやりまほか? 」
正五郎は吉兵衛の手を借り、籠の上に置いてあった大石を取りのけて、太閤さんを籠から出した。
太閤さんは、
「まアこれで助かった、うちは心配していただろう。ではさよなら」
「太閤さん、玄関に淀君さんがお迎えに来ていやはりますわ」
「ウム、そうですか? 」