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Japanische Klassiker mit Furigana

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くうちゅうせいふく

空中征服

賀川 豊彦

Lesen Sie 空中征服 (くうちゅうせいふく) von 賀川 豊彦 (かがわとよひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.687 Zeichen · 215 Bildschirme

Aozora Bunko

太閤さんは静かに表に出て行った。正五郎も淀君という名を聞いて玄関に走り出た。そして淀君の顔をジロジロ見つめている。そして一人で感心して太閤さんと淀君の二人が門を出るのを見送って、

「あの玉はよい代物や、あれやったら俺は一万両でも出すわ。太閤さんはやっぱりよい玉を持っとるわい」

「馬鹿言いなさんな! 」と奥から吉兵衛さんが正五郎を叱りつけた。

それに気がついて、正五郎は奥へ飛んで入ったが、籠の空になっているのを見て、

「惜しいことした。吉兵衛さんの口車に乗せられて、とうとう太閤さんを逃がした。何やら言いよったな。恵比須さん、金儲けを考えない商売があると言うのやったなア。つまりなんだすか、そうすると銀行の利子などは払わなくてもよいことになるのどすか! 実はな、私ところ二万円の利子に困っておりますのや、太閤さんを止めといたら、空堀に埋めてある千両箱一つでも持って来てくれる忠臣一人くらいがあるだろうかと思うておりましたのや。そこへ、あなたが来はりましたやろ、私はあなたが千両箱一つくらい持ってくれはりましたのやと思っとりましてん」

「そらまた欲なことばかり考えていやはるのやな……しかし正五郎さん、太閤さんなんかを籠伏せに会わしたりなんかしやはったら、きっと罰が当りまっせ」