Japanische Klassiker mit Furigana
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くうしゅうかのにほん
空襲下の日本
海野 十三
Lesen Sie 空襲下の日本 (くうしゅうかのにほん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.527 Zeichen · 30 Bildschirme
帝都突如として空襲さる
「ははア、随分海軍の航空隊って、太平洋の真中の方にあるんだなア。――それから外には……」
「もうそれだけ」
「おかしいなア、東京から北の方には、一つもないじゃないの、兄さん。アラスカの方から攻めて来たら、困るでしょう」
「しかし今日のところは、それだけ。この上お金が出来てくれば、青森の附近にも、北海道にも、樺太にも、或いは千島にも、航空隊を作りたいのだが……。兎に角、覘われるのは、政治の中心、商工業の中心地帯だ。そこで、こんな配置が出来ているというわけさ」
そのとき、奥の間から老僕が、腰に吊るした手拭をブラブラさせながら、部屋へ飛びこんできた。
「ああ、大きい坊ちゃま。今、お電話がありましたよ。『至急帰隊セヨ』というお達しでございます」
「そうか、よオし」と立ちあがる。
「兄さん、空中戦が始まるのですか」
「そうだ。北九州の護りは、今のところ、日本にとって一番重要なんだ。ここを突破しなけりゃ、中国大陸からいくら飛行機を送ってきても駄目だ。今夜か明日ぐらいに、また面白い射的競技が見られるというものさ」
帝都突如として空襲さる
――昭和×年五月、上野公園高射砲陣地に於て――