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Japanische Klassiker mit Furigana

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くうしゅうけいほう

空襲警報

海野 十三

Lesen Sie 空襲警報 (くうしゅうけいほう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.838 Zeichen · 92 Bildschirme

Aozora Bunko

国彦中尉は、警官の鼻の先に、その茶色の硝子筒をさしつけながいった。

「ええッ、コレラ菌!」

警官の顔は見る見るまっさおになっていった。

「そうです。この死んだ男は、敵国のスパイに違いありません。この直江津の町におそるべきコレラを流行させるために、これを持ちまわって井戸の中に投げこんでいたのです」

「ああ、するとコレラ菌を知らないで飲んでしまった人もあるわけだ。さあ大変……」

警官は驚きのあまりよろよろとした。

「まあ、しっかりして下さい。今からでも、まだ遅くはない。すぐ手を廻して、町の人々に生水を飲むなと知らせるのですね」

「どうして知らせたらいいでしょう。こんなことがあるのだったら、サイレンか何かで『生水を飲むな』という警報が出せるようにきめておけばよかった」

警官は大きな溜息をついた。これを横から聞いていた人々も、全身の血が逆流するように感じた。なにも知らない町の人々は、今も盛んにコレラ菌を飲んでいるのだ。そしてやがてコレラ菌のため、ことごとく死に絶えてしまうのではなかろうか。なんというおそろしいことだ。スパイの持ってきた死神の風呂敷に、直江津の町全体が包まれてしまったのだ。