Japanische Klassiker mit Furigana
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くうしゅうけいほう
空襲警報
海野 十三
Lesen Sie 空襲警報 (くうしゅうけいほう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.838 Zeichen · 92 Bildschirme
「待て、露子……。しばらく井戸に触ってはならん」
「えッ」
「皆さんも、井戸には触らないでください。その前に、この死んだ男の身体を調べたいのだが……、誰か警官を呼んできて下さい」
国彦中尉は、なぜか井戸をたいへん気にしていた。そこへ剣をガチャつかせて、二人の警官が息せき切って駈けつけてきた。
「さあ、どいたどいた」
国彦中尉は警官を迎えると、なにか耳うちをした。警官は顔を見合わせて大きくうなずくと、人々を遠くへどかせた上、中尉と三人きりになって、井戸の横に倒れているきたない服装をした男の持物を、懐中電灯の明りで調べだした。人々は遠くから固唾をのんでひかえていた。
と、突然、
「……ああ、あった。これだッ」
国彦中尉が叫んだ。そして懐中電灯の光でてらしだしたのは、死人の腹にまいてある幅の広い帯革であった。それには猟銃の薬莢を並べたように、たくさんのポケットがついていた。しかし中尉がそのポケットから取りだしたものは、猟銃の薬莢ではなく、注射液を入れたような小さい茶色の硝子筒だった。それには小さいレッテルが貼ってあり、赤インキで何か外国語がしたためてあった。
「ほう、コレラ菌ですよ……」