Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かぜのまたさぶろう

童話集 風の又三郎

宮沢 賢治

Lesen Sie 童話集 風の又三郎 (かぜのまたさぶろう) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.657 Zeichen · 113 Bildschirme

Aozora Bunko

「あれでてぐすが飼えるの?」

「飼えるのさ。うるさいこどもだな。おい、縁起でもないぞ。てぐすも飼えないところにどうして工場なんか建てるんだ。飼えるともさ。現におれをはじめたくさんのものが、それでくらしを立てているんだ。」

ブドリはかすれた声で、やっと、

「そうですか。」と言いました。

「それにこの森は、すっかりおれが買ってあるんだから、ここで手伝うならいいが、そうでもなければどこかへ行ってもらいたいな。もっともお前はどこへ行ったって食うものもなかろうぜ。」

ブドリは泣き出しそうになりましたが、やっとこらえて言いました。

「そんなら手伝うよ。けれどもどうして網をかけるの?」

「それはもちろん教えてやる。こいつをね。」男は、手に持った針金の籠のようなものを両手で引き伸ばしました。

「いいか。こういう具合にやるとはしごになるんだ。」

男は大またに右手の栗の木に歩いて行って、下の枝に引っ掛けました。

「さあ、今度はおまえが、この網をもって上へのぼって行くんだ。さあ、のぼってごらん。」

男は変なまりのようなものをブドリに渡しました。ブドリはしかたなくそれをもってはしごにとりついて登って行きましたが、はしごの段々がまるで細くて手や足に食いこんでちぎれてしまいそうでした。