Japanische Klassiker mit Furigana
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かぜのまたさぶろう
童話集 風の又三郎
Lesen Sie 童話集 風の又三郎 (かぜのまたさぶろう) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.657 Zeichen · 113 Bildschirme
「もっと登るんだ。もっと、もっとさ。そしたらさっきのまりを投げてごらん。栗の木を越すようにさ。そいつを空へ投げるんだよ。なんだい、ふるえてるのかい。いくじなしだなあ。投げるんだよ。投げるんだよ。そら、投げるんだよ。」
ブドリはしかたなく力いっぱいにそれを青空に投げたと思いましたら、にわかにお日さまがまっ黒に見えて逆しまに下へおちました。そしていつか、その男に受けとめられていたのでした。男はブドリを地面におろしながらぶりぶりおこり出しました。
「お前もいくじのないやつだ。なんというふにゃふにゃだ。おれが受け止めてやらなかったらお前は今ごろは頭がはじけていたろう。おれはお前の命の恩人だぞ。これからは、失礼なことを言ってはならん。ところで、さあ、こんどはあっちの木へ登れ。も少したったらごはんもたべさせてやるよ。」男はまたブドリへ新しいまりを渡しました。ブドリははしごをもって次の木へ行ってまりを投げました。
「よし、なかなかじょうずになった。さあ、まりはたくさんあるぞ。なまけるな。木も栗の木ならどれでもいいんだ。」
男はポケットから、まりを十ばかり出してブドリに渡すと、すたすた向こうへ行ってしまいました。