Japanische Klassiker mit Furigana
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ふんにょうたん
糞尿譚
火野 葦平
Lesen Sie 糞尿譚 (ふんにょうたん) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.974 Zeichen · 99 Bildschirme
ので、殆ど留守勝であり、きんきんと硝子をこするような声を出すおかみさんが、電話のかかるたびに門口に呼んでくれるのだが、初めのうちこそ、亭主と彦太郎の交際の関係もあり、又、たいていの買物はそこでするので、嫌な顔もせず知らせてくれたのだが、彼も留守が多いし、聞いておいて、帰ってから知らせに来てくれることが度々で、そのうえ、かかって来る電話が、半分以上は、何故早く汲取りに来てくれぬか、とか、便所から溢れ出て臭くって仕方がない、とか、いうような電話ばかりなので、この頃では、おかみさんは露骨に嫌な顔を見せ出し、海員児童ホームからかかって来た、ことづけの電話を知らせに来てくれた時には、出がけに、電話のひとつ位取んなさいよ、と歯がゆそうに云った。少し位の雨なら、海員児童ホームだけでも汲取って置かねばならぬと思い、例の如く、彦太郎は一升徳利から湯呑茶碗に焼酎を注いで飲んだ。表の戸を開け、裏の水道傍に廻って、米をといだ。釜を瓦斯にかけ、味噌汁をこしらえて、表に出た。唐人川の水が暗い空をうつし、泥溝のように淀んで流れている。板片や、草などを流している水面を見ていると、突然、わっと、尻をつかれて危うく川の中に落ちそうになり、びっくりして振り返った。