Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふんにょうたん

糞尿譚

火野 葦平

Lesen Sie 糞尿譚 (ふんにょうたん) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.974 Zeichen · 99 Bildschirme

Aozora Bunko

意味がよく受けとれなかったが、よろしゅうございます、あんた、と答え、きっとだよ、とまだ念を押すのに、私も男ですよ、受合ったら何も云いませんとも、と、何故、これ位のことをこんなにしつこく口止めするのだろうと考えながらも、はっきりと声明した。帰りに阿部の家に寄り、市役所からの新契約書を阿部に見せると、阿部はいかにも我意を得たりというように腹をゆすって哄笑した。いや大成功、大成功、こうまでうまく運ぼうとは思わなかった、月百三十円貰えば先ず悠々たるものであろう、あれには一ヶ月百三十円の実費と書いておいたが、あの歎願書の数字のからくりが連中にはわからんと見えるな、市役所の人達は年中数字と統計の垣の中にあるので、ほんとうの数字の魔術に不感症になっているし、市参事会員などの他の連中はてんから数字など知りはしないのだ、これは愉快愉快、祝盃をあげよう、と阿部は広い額を叩き、上機嫌で云った。彦太郎ももとより上機嫌で、なにもかもがこれからは都合よく行くぞと思い、前途に対する希望で明かるい気持になるのであった。

或る朝、彦太郎が角の諸式屋に来て、酒の肴に蟹の缶詰を買い、蓋を切って貰っていると背後から、小森君、と声をかける者があった。