Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こうもうけいせい

紅毛傾城

小栗 虫太郎

Lesen Sie 紅毛傾城 (こうもうけいせい) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.403 Zeichen · 50 Bildschirme

Aozora Bunko

「悪疫」

三人は、思わず弾ね上げられたような、声を立てた。

「さようでございます。最初は、二、三日下痢模様が続きますと、骨も髄も抜け果てたようになって、次第に皮膚の色が透き通ってまいるのです。それで、病人たちは、死の近きを知るころになると、きまって船底近い、臥床から這い出していくのです。そして、狂気のようになって、甲板へ出ようとしますけれど、そこには岩のような靴と、ヒューヒューうなる鞭が待ち構えているのでした。でもう、しまいには死の手に押さえつけられてしまって、わずかに首と、弱った頭をもたげるにすぎなくなってしまうのです。

ところが、それから二度三度と現われた父の手は、いつも決まって、船底に続く鉄梯子の方角のほうから現われてくるのでした。それからというもの私は、もしやしたら父と悪疫との間に、何か不思議なつながりがあるのではないか――ないかないかと、それのみをただ執念く考えつめるようになりました。ですから、その軍船の中には、じりじり燃え広がっていく、恐ろしい悪疫と……。それから、野鳥のように子を犯そうとする、煙のような悪霊とが潜んでいるのです。

打ち沈めて、……お願いですわ。