Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 194.628 Zeichen · 371 Bildschirme
「さ、正雄ちゃん、あんた下へ行って、叔母ちゃんに早う冷たいもん持って来たげるように、お久どんに云うといで。さ、正雄ちゃん、お母ちゃんの云うこと聴きなさい。―――」
そう云って姉は、四つになる梅子を膝の上に抱き取りながら、
「芳雄ちゃんは下へ行って団扇取って来なさい。秀雄ちゃん、あんた兄ちゃんやないか、兄ちゃんが先に下へ行かないけません。さ、お母ちゃんは久し振で叔母ちゃんと話があるのんに、そない引っ着かれたら話が出来しませんやないか」
「秀雄ちゃんはいくつになるのん」
「僕九つや」
「九つにしたら大きいなあ、さっき門で遇うた時、哲雄ちゃんか思うたわ」
「柄は大きゅうても、この通りお母ちゃんの傍にばかり喰っ着いてて、ちょっとも兄ちゃんらしいことあれへんねん。………哲雄になると、もうそろそろ中学校の準備があるさかい、勉強の方が忙しいて、そんなにやんちゃなこともないねんけど、………」
「女中はお久どん一人やてなあ」
「ふん、こないだまではお美代どんもいてたけど、大阪へ帰らしてほしい云うし、梅子がよう一人歩きするようになったよってに、子守もいらんことや思うて、………」
それでも幸子は、さぞかし姉が所帯窶れをしているであろうと想像していたのに、思ったよりは髪かたちも小綺麗に、身なりを整えているのを見ては、どんなになっても嗜みを忘れない