Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 194.628 Zeichen · 371 Bildschirme

Aozora Bunko

来た目的が果たされないのであった。

幸子は考えて、まだ滞在が長びくのであったら、旅館へ移る方がよいかも知れない、浜屋と云う家は行ったことはないけれども、そこの女将はもと大阪の播半の仲居をしていた人で、亡くなった父もよく知っていたし、自分も「娘さん」時代から顔見知りの仲であるから、始めての旅館へ泊るようなものではあるまい、夫の話では、もと待合であったのを旅館に直したので、部屋数も少く、お客と云うのも大部分は気心の分った大阪の人達であり、女中にも大阪弁を使う者が多いと云った風で、泊っていても家庭的で、東京にいるような気がしない、と云うように云っていたから、いっそそうした方が、………とも思ったけれども、姉が何かと心を遣ってもてなしてくれるのを見ては、そうも云い出しにくかった。それに義兄も、家ではゆっくり晩飯もたべられないからと云って、東京では聞えている店だとか云う道玄坂の二葉と云う洋食屋へ案内してくれたり、矢張その近所の北京亭と云う支那料理屋へ、悦子のために自分の子供達も連れて行って小宴会を催してくれたりする、と云う款待振であった。もともと義兄は人を奢ることが好きな方ではあったが、近頃締まり屋になったと云っても、そんなところは昔と変らないのであろうか。