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Japanische Klassiker mit Furigana

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ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 194.628 Zeichen · 371 Bildschirme

Aozora Bunko

夫人の主婦振りがどんなものであるかはこの一事でも明かであるが、だからと云って、規則ずくめの厳格一方の人ではなくて、情愛の深い優しい半面もあることは、あの水の時に、近所の交番へ泥まみれになった罹災者が二三人も逃げて来たと聞いて、早速シャツや下着類を持たせてやり、あなた方も浴衣があったら贈ってお上げなさいとアマ達にも熱心に勧めたこと、夫や子供たちの安否を気遣い、悦子のことまでも心配してくれて、真っ青な顔に涙を浮かべていたこと、夕方夫たちが無事に戻ったのを知ると、狂気したような歓声を挙げて駈け出したこと、等々を見ても分る。幸子は今でも、あの栴檀の葉越しに見た、夫人が喜びに我を忘れてシュトルツ氏に犇と抱き着いた光景をはっきり覚えているのであるが、ほんとうに、あんな情熱的なところもあるのは感心ではないか、一般に独逸の夫人は偉いと云っても悉くがシュトルツ夫人と同様だと云う訳ではあるまい、矢張これだけよく出来た人はなかなか得難いに違いなく、こう云う人を隣人に持ったのは自分の仕合せであったのに、それにしては余り呆気ない交際であった、いったい西洋人の家庭は日本人との近所附合いをしたがらないものであるが、この一家はそう云う点も如才なく、越して来た時に見事なピラミッドケーキを挨拶代りに配ったくらいであるから、此方からも打ち解け