Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 194.628 Zeichen · 371 Bildschirme
妥協したに過ぎず、独逸も亦英国の意図を察してその裏を掻こうとしているから、戦争は必ず近いうちに起ると云うので、まあそれやこれやの理由から、結局女史も思い止まることにしたのであった。それで妙子は、女史が止めるのでは仕方がないから、自分も止める、但し洋裁師になることは、本家が何と云おうとも止めない、お正月から洋裁学院が始まるなら、自分も亦稽古に通おうと思う、自分は今度のことで、一日も早く本家の仕送りを完全に断って自立する必要のあることを、ひとしお痛切に感じるに至ったから、そう云う点からも技術の習得を急がなければならない、と云うのであった。
「こいさんはそれでええやろけど、洋裁の稽古止めて貰わなんだら、あたし等が本家に対して言訳立たんようになるわ」
「中姉ちゃんは知らんことにしといて欲しい」
「そんな訳に行くやろか」
「製作の方かてまだ表面は続けてるよってに、洋裁はあれきり止めたらしい、云うといてえな」
「知れた時に難儀やわ。―――」
幸子は妙子が、頻りに自立しようと焦っていることと、本家に預けてあると云う金を、多少不穏の態度に出ても取り立てようとしていることの中に、何か危険思想が潜んでいるような、そして、やがて自分達が板挟みになって困らされる時が来るような気がして、その日は何を云われても、