Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 194.628 Zeichen · 371 Bildschirme
つまりボッシュ氏は、人に見られることを甚しく恐れているに違いなく、何にしても余程の変人なることは明かであったが、佐藤家の女中の話では、非常に病身な、神経質な人で、毎夜不眠症に悩まされているのだと云うことでもあった。それかあらぬか、或る時刑事が蒔岡方へ来て、あの外人は瑞西人と自称しているけれども本当のことは明かでなく、どうも行動不審であるから、注意してくれ、万一怪しい素振があったら直ぐ警察へ知らせてくれと云って帰ったが、主人が国籍不明の人で年中旅行ばかりしており、細君が支那人の混血児らしく見えるのでは、そう云う疑いの眼で見られても仕方のないところがあった。それに刑事の話だと、その支那人の混血児らしく見える婦人は正式の細君ではなくて、仮初の同棲者らしいのだと云うことであった。そして彼女の国籍が又明瞭を欠いていた。日本人が見ると彼女の容貌は最も支那人に近いにも拘らず、彼女自身は支那生れと云うことを否定して、南洋の方の産だと云うのであるが、南洋の何処と云うことは明かにしない。幸子が一度招かれて行った時、彼女の部屋へ這入って見ると、すべて紫檀製の支那式家具が置いてあったと云うから、矢張事実は支那人であって、それを秘しているのかも知れない。