Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 194.628 Zeichen · 371 Bildschirme
野寄がそんなにひどいとすれば行ける訳はないのであるから、途中で引き返して来そうなものだのに、未だに帰って来ないのはどうしたのであろう。もう少し、………もう少し、………と思いながら、知らず識らず危険区域へ足を蹈み入れて、水に取り巻かれてしまった、と云うようなことはないであろうか。それとも又、夫は用心深い代りに、思い立ったことはなかなか諦めないたちであるから、何とかして目的地へ着こうとして、此方の道が駄目なら彼方の道からと云うように、いろいろな方角から進んで見たり、一時何処かで水の減るのを待って見たりしているのでもあろうか。仮に目的地に到達して妙子を救い出すことに成功したとしても、水の中を歩いて帰って来るのであるから、時間が懸るのは当り前で、六時七時になったとしても不思議はないようなものの、幸子には最善から最悪に至るあらゆる情景が想像される中で、ややともすると悪い方の場面ばかりが一番有りそうなことのように考えられるのであった。で、そんなことがある筈はございませぬけれども、それほどお案じなさいますなら、私が行って見て参りましょうと庄吉が云うので、巧く行き遭うかどうか分らない迄も、いくらかでも気休めになると思って、そんなら御苦労さんですけど、………と、早速身支度をして出かける庄吉を、裏門のところまで送って行った