Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 150.580 Zeichen · 287 Bildschirme

Aozora Bunko

「姉ちゃん云うたら可笑しいやないか。昨日の電話では泣き声出して、あたしが涙こぼして話しても誰も相手になってくれへん、幸子ちゃん是非聞きに来てほしい云うてた癖に、今日行ってみたら、蔵の中へ這入ったきり、荷物の整理に夢中になってて、『姉ちゃん』云うたかて返事もせえへんなんだわ」

彼女は夕方帰って来ると、妹たちとそんな噂をしたが、

「そう云う人やわ、姉ちゃんは」

と、雪子も云った。

「そんでも、見てて御覧。―――今に気イ弛んだら、又泣き出すに違いないよってに」

雪子は、それから中一日置いて、ちょっと来て貰いたいと姉から電話が懸ったので、どんな様子か今度はあたしが見て来ようと云って出かけたが、一週間ばかり泊って来て、

「荷物の整理は大方済んだらしいねんけど、まだ神憑りに憑ってるわ」

と云って笑った。雪子の話だと、姉が彼女を呼び寄せたのは、義兄の名古屋の実家まで夫婦で暇乞いに行くことになったので、彼女に留守を頼むためなのであったが、夫婦は雪子が行った翌日の土曜の午後に立ち、日曜の夜おそく帰って来た。ところで、それから今日でもう五六日になるのだが、その間姉は何をしているかと云うと、毎日机に向ってお習字をしている。