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Japanische Klassiker mit Furigana

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じらいやのはなし

綺堂随筆 江戸の思い出

岡本 綺堂

Lesen Sie 綺堂随筆 江戸の思い出 (じらいやのはなし) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.924 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

あなたが何うしても承知してくれなければ、わたくしにも料簡があります。わたくしにも口がありますから、お白洲へ出て何をしゃべるか判りません。そう思っていてください。」

獄卒もこれには困った。飽までも不承知だといえば、這奴は白洲へ出て宝叔塔や侍郎橋の一件をべらべらしゃべるに相違ない。それが発覚したら我身の大事となるのは知れている。飛んでもない脅迫をうけて、獄卒も今さら途方にくれたが、結局よんどころなしに出してやると、かれは約束通りに戻って来て、再び手枷首枷をはめられて獄屋のなかにおとなしく這入っていた。

夜があけると、臨安の町に一つの事件が起っていることが発見された。ある家へ盗賊が忍び入って金銀をぬすみ、その壁に我来也と大きく書き残して立去ったと云うのである。その訴えに接して、名奉行の趙も思わず嘆息した。

「おれは今まで自分の裁判にあやまちは無いと信じていたが、今度ばかりは危く仕損じるところであった。我来也は外にいる。この獄屋につないであるのは全く人違いだ。多寡が狐鼠狐鼠どろぼうだから、杖罪で放逐してしまえ。」

彼の囚人は獄屋からひき出されて、背中を幾つか叩かれて放免された。