Japanische Klassiker mit Furigana
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びしょうねん
美少年
岡本 かの子
Lesen Sie 美少年 (びしょうねん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.417 Zeichen · 27 Bildschirme
「また、時春さんと、喧嘩おしかえ。よしよし判った判っただ。だがそれよか、お縁日の様子はどうだったい、話してご覧」
といって、笑ましげな顔をしていた。
それからは少年は古い乾いた物干台へも姿を現さなければ、病室にも訪ねて来なかった。お祖母さんは気にして病院の小使に遣いものを持たし様子を見にやったりしたが、少年は別に変りはなく家に居るとのことであった。
わたしの眼は癒りはしなかったが、いくらかは軽まった具合なのに学校のこともあり秋に入るを期し退院する支度にかかっていた。
美少年の時春が不慮の変死を遂げたという報はわたしたち老少の女二人を愕かした。詳しい話には少年はお雛妓たちを連れて丸の内の銭瓶橋の方へ遊びに行き、橋の欄干に上って綱渡りの真似をしてお雛妓たちに見せていたそうである。足を滑らして濠へ墜ちた。少年は泳ぎはできるのだったが、そのときしたたか昼酒を飲んでいたので、死因は溺死というより心臓麻痺だそうである。
「何たることです、何たることです」と、ただ呆れてしまったお祖母さんは、それでも、やがて「あたしだけでも、せめて、お悔みに行ってやりましょう」とて、香華を調え少年の家へ出向いた。