Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ろうば

老婆

小川 未明

Lesen Sie 老婆 (ろうば) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.436 Zeichen · 11 Bildschirme

Aozora Bunko

「へへへへへへへへへ。」と笑って、枯れた指頭で両眼を擦っている。私は、

「この婆は冷酷な婆だな。」と白眼で睨んでやった!

腹立しく思って、私は二階へ上ると青い室の裡で臥ていて、ばたばたやって熱のために苦しんだ。青い室が一時は黄色く見えて、熱のため眼の心が痛んだ。薄暗い室の中が熱臭くなって、むうむうとする。私は毛布を頭から被って耳朶の熱するのを我慢して早く風を癒そうと思って枕や、寝衣がびっしょり湿れる程汗を取った。これで明日は癒りそうだ。ドラ腐敗した空気を新鮮な空気に入れ換ようと高窓を開けにかかると足がふらふらして床の上に倒れた。まだ日暮前であった。その儘私は、腐った空気の中で、五体が疲れたためすやすやと二三時間程眠ったのである。眼が醒めた時には、もう暗くなっていた。

高窓には、青い月の光りが射している。戸外は霜が降って寒いと見て往来を通る人の下駄の音が冴えて聞える。まだ宵の口には相違ない。私はランプを点そうと思って、手探りに四辺を探したが分らなかった。で、二階を降りて下を見ると、暗い飴色のランプの下に白髪頭の老婆は、やはりいつもと同じ方向に対って茫然として坐っている。