Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たんでき

耽溺

岩野 泡鳴

Lesen Sie 耽溺 (たんでき) von 岩野 泡鳴 (いわのほうめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.597 Zeichen · 110 Bildschirme

Aozora Bunko

「一体どうしたんだ」と、僕がちょっと吉弥に当って、お君をふり返ると、お君は黙って下を向いた。

「あたいがいるのがいけなけりゃア、いつからでも出すがいい。へん、去年身投げをした芸者のような意気地なしではない。死んだッて、化けて出てやらア。高がお客商売の料理屋だ、今に見るがいい」と、吉弥はしきりに力んでいた。

僕は何にも知らない風で、かの女の口をつぐませると、それまでわくわくしていたお貞が口を出し、

「まア、えい。まア、えい。――子供同士の喧嘩です、先生、どうぞ悪しからず。――さア、吉弥、支度、支度」

「厭だが、行ってやろうか」と、吉弥はしぶしぶ立って、大きな姿見のある化粧部屋へ行った。

七

「お座敷は先生だッたの、ねえ、――あんなことを言って、どうも失礼」と、吉弥は三味線をもってはいって来た。

「………」僕はさッきから独りで、どういう風に油をしぼってやろうかと、しきりに考えていたのだが、やさしい声をして、やさしい様子で来られては、今まで胸にこみ合っていたさまざまの忿怒のかたちは、太陽の光に当った霧と消えてしまった。

「お酌」と出した徳利から、心では受けまいと定めていた酒を受けた。