Japanische Klassiker mit Furigana
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たんでき
耽溺
岩野 泡鳴
Lesen Sie 耽溺 (たんでき) von 岩野 泡鳴 (いわのほうめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.597 Zeichen · 110 Bildschirme
そのなよなよした姿のほほえみが血球となって、僕の血管を循環するのか、僕は筋肉がゆるんで、がッかり疲労し、手も不断よりは重く、足も常よりは倦怠いのをおぼえた。
僕の過敏な心と身体とは荒んでいるのだ。延びているのだ。固まっていた物が融けて行くように、立ち据わる力がなくなって、下へ下へと重みが加わったのだろう。堕落、荒廃、倦怠、疲労――僕は、デカダンという分野に放浪するのを、むしろ僕の誇りとしようという気が起った。
「先駆者」を手から落したら、レオナドはいなくなったが、吉弥ばかりはまだ僕を去らない。
かの女は無努力、無神経の、ただ形ばかりのデカダンだ、僕らの考えとは違って、実力がない、中味がない、本体がない。こう思うと、これもまた厭になって、僕は半ばからだを起した。そうすると、吉弥もまた僕の心眼を往来しなくなった。
暑くッてたまらないので、むやみにうちわを使っていると、どこからか、
「寛恕して頂戴よ」という優しい声が聴える。しかしその声の主はまだ来ないのであった。
一六
僕が強く当ったので、向うは焼けになり、
「じゃア勝手にしろ」という気になったのではあるまいか? それなら、僕から行かなければ永劫に会えるはずはない。