Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たんでき

耽溺

岩野 泡鳴

Lesen Sie 耽溺 (たんでき) von 岩野 泡鳴 (いわのほうめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.597 Zeichen · 110 Bildschirme

Aozora Bunko

「先生、とんだことになりまして、なア」と、あくまで事情を知らないふりで、「あなたさまに御心配かけては済みませんけれど――」

「なアに、こうなったら、私が引き受けてやりまさア」

「済まないこッてございますけれど――吉弥が悪いのだ、向うをおこらさないで、そッとしておけばいいのに」

「向うからほじくり出すのだから、しようがない、わ」

「もう、出来たことは何と言っても取り返しのつくはずがない。すッかり私におまかせ下さい」と、僕は男らしく断言した。

「しかし」と、主人が堅苦しい調子で、「世間へ、あの人の物と世間へ知れてしまっては、芸者が売れませんから、なア――また出来ないようなことがあっては、こちらが困るばかりで――」

「そりゃア、もう、大丈夫ですよ」と、僕は軽く答えたが、あまりに人を見くびった言い分を不快に感じた。

しかし、割合いにすれていない主人のことであるし、またその無愛嬌なしがみッ面は持ち前のことであるから、思ったままを言ったのだろうと推察してやれば、僕も多少正直な心になった。

「どうともして」とは、実際、何とか工面をしなければならないのだ、「必らず御心配はかけませんが、青木さんの方が成り立っていても、今月一杯はかかるんでしたから――そこいらの日限は、どうか、よろしく」