Japanische Klassiker mit Furigana
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たんでき
耽溺
岩野 泡鳴
Lesen Sie 耽溺 (たんでき) von 岩野 泡鳴 (いわのほうめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.597 Zeichen · 110 Bildschirme
「このことは何にも聴いて下さんな、自分が苦しんで、自分が処分をつけるつもりですから」
「そうか」と、父は僕の何にも言わない決心を見て取ったのだろう、「じゃア、もう、きょうは遅いから帰る。あす、早速うちまで来てもらいたい」
こう言って、父は帰って行った。
妻が痩せたのを連想するせいか、父も痩せていたようだし、今、相対する母もまた頬が落ちている。僕は家族にパンを与えないで、自分ばかりが遊んでいたように思えた。
僕の書斎兼寝室にはいると、書棚に多く立ち並んでいる金文字、銀文字の書冊が、一つ一つにその作者や主人公の姿になって現われて来て、入れ代り、立ち代り、僕を責めたりあざけったり、讃めそやしたりする。その数のうちには、トルストイのような自髯の老翁も見えれば、メテルリンクのようなハイカラの若紳士も出る。ヒュネカのごとき活気盛んな壮年者もあれば、ブラウニング夫人のごとき才気当るべからざる婦人もいる。いずれも皆外国または内国の有名、無名の学者、詩人、議論家、創作家などである。そのいろんな人々が、また、その言うところ、論ずるところの類似点を求めて、僕の交友間のあの人、この人になって行く。