Japanische Klassiker mit Furigana
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ちゅうどく
聴雨・螢 織田作之助短篇集
織田 作之助
Lesen Sie 聴雨・螢 織田作之助短篇集 (ちゅうどく) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.162 Zeichen · 37 Bildschirme
そのことに注目しているのである。が、これとても大したことはない。私は一日に百本の煙草を吸っている。多い日は百三十本吸ったこともある。その点では、マーク・トゥエーンには負けないつもりである。しかし、
「煙草について、私の唯一の制限は……」
云々という彼の名文句には、さすがの私も参った。
私は一日に六十本よりすくない煙草を吸ったことは殆んど稀である。余程の事情のない限り、毎日百本の煙草を吸っている。しかも、私は煙草についてマーク・トゥエーンのような名文句を書いたことはない。
思うに、マーク・トゥエーンは煙草の豊富な、安く、容易に入手できる時代に生れて、そして死ぬまでその状態がかわらなかった。これに反して、ここ二三年の私の生活は、いかにして一日一日の煙草を入手するかという努力に終始していた。煙草について気の利いた名文句を考えている余裕などなかった。だから、マーク・トゥエーンには名文句が出来て、私には出来なかった――という風には私は考えたくない。が、とにかく煙草では苦労した。今も苦労している。
去年の暮、私は「髪」という小説で、私が自分の長髪のためにどれだけ苦労したかという話を書いたが、しかし、私が本当に長髪で苦労したのは、三度に及んだ点呼の時ぐらいなもので、それにくらべると、煙草の苦労は私の生活を殆んど破壊せん