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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちゅうどく

聴雨・螢 織田作之助短篇集

織田 作之助

Lesen Sie 聴雨・螢 織田作之助短篇集 (ちゅうどく) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.162 Zeichen · 37 Bildschirme

Aozora Bunko

「好きなものを、いやという程飲んだから、思い残しはないだろう」

と、いうような慰め方をしていた。

棺桶の中にも酒をつめた瓢箪が入れられた。

「この酒も入れてあげて下さい」

と言って香奠がわりに持って来る人もあった。それくらい酒好きで通っていたのだ。

そして、それほど好きな酒を、いやというほど飲んだのだから、結局はしあわせな人ということになったらしい。

世間には好きな酒を飲めない人が沢山いるから、借金は残しても、飲めた父はやはりしあわせかも知れないが、しかし、とにかく父は身を亡ぼしたのだ。しかも、それは酒のためではなかった。

私の家は父の代に没落したが、息子の私にはそれを盛りかえすだけの力もない。今のところ、せっせと書けば、食うに困るというほどでもないが、没落した家を再興し、産を成すようなタイプとは、私は正反対の人間だ。今は食うに困らなくても、やがて私もまた父と同じように身を亡ぼしてしまうかも知れない。そして、それは酒のためではないことだけは父と同じだ。

しかし、私が身を亡ぼせばその原因は煙草かも知れない。

世間には酒と女と博奕で身を亡ぼす人は多い。