Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ちゅうどく
聴雨・螢 織田作之助短篇集
織田 作之助
Lesen Sie 聴雨・螢 織田作之助短篇集 (ちゅうどく) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.162 Zeichen · 37 Bildschirme
一度に百粒も口に入れた。私はその女のそんなマニヤを哀れんだ。一日に二円も収入のない安酒場の女だった。器量はよかったが、衣裳がないので、そんな所で働いているのだった。銭湯代がないから、五十銭貸してくれと、私に無心したことがある。貸してやると、その金で仁丹の五十銭袋を買うたらしい。一日二円たらずの収入で、毎日三円の仁丹では、暮らして行けぬのか、到頭パトロンを作った。ある日、私に葉巻をくれた。そのパトロンに貰ったのだろう。ロンドという一本十銭の葉巻だった。吸ってみると、白粉の匂いがした。化粧品と一緒にハンドバッグに入っていたためだろう。
私は彼女のパトロンは葉巻を吸うような男だから、恐らく彼女をホテルへ連れて行くだろうと思った。彼女は化粧栄えのする顔立ちで、ホテルの食堂へはいっても人目を惹くだろうが、それにしては身につけているものがお粗末すぎる。パトロンは早々と部屋へ連れて上って、みすぼらしい着物を寝巻に着更えさせるだろう。彼女は化粧を直すため、鏡台の前で、ハンドバッグをあけるだろう。その中には仁丹の袋がはいっている。仁丹を口に入れて、ポリポリ噛みながら、化粧して、それから、ベッドへ行くだろう。