Japanische Klassiker mit Furigana
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あぢさい
花火・来訪者 他十一篇
永井 荷風
Lesen Sie 花火・来訪者 他十一篇 (あぢさい) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.046 Zeichen · 104 Bildschirme
とは云うものの、わたしはまた時々、どうして、あんな働きもなければ、かいしょもない、下らない女に迷込んでしまったんだろうと、自分ながら不審に思うこともありました。
年は丁度二十、十四、五の時から淫奔で、親の家を飛出し房州あたりの達磨茶屋を流れ歩いて、十八の暮から下谷へ出た。生れつき水商売には向いている女だから、座敷はいつもいそがしく相応に好いお客もつくのだが、行末どうしようという考もなく、慾もなければ世間への見得もなく、ただ愚図愚図でれでれと月日を送っている。どこか足りない処のあるような女です。それが却て無邪気にも思われ、可哀そうにも見えて諦めがつきません。一口に言えばまず悪縁で御在ます。仕様のない女だと百も承知していながら、さてこの女と一緒に暮していますと、此方までが、人の譏りも世間の義理も、見得も糸瓜もかまわぬ気になって、ただ茫然と夢でも見ているような、半分痲痺した呑気な心持になって、一日顔も洗わず、飯も食わずに寝ていたような始末。成ろう事なら、このまま二人乞食にでもなったら、さぞ気楽だろうと云うような心持になるので御在ます。
わたしはお君が葭町へ去った後も、二人一緒に居ぎたなく暮した昨日の夢のなつかしさに、石原町の貸二階を去りかね、そのまま居残って、約束通り、月に一度なり二度なりと、お君がおまいりの