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Japanische Klassiker mit Furigana

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あぢさい

花火・来訪者 他十一篇

永井 荷風

Lesen Sie 花火・来訪者 他十一篇 (あぢさい) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.046 Zeichen · 104 Bildschirme

Aozora Bunko

「おいそがしう御在ましょう。わるいものが降り出しました。師匠。実はちいッと御相談しなくちゃ、成らない事があるんで、この間からお尋申そうと思いながら、今夜もこの雪でかじかんでしまいました。」と薄ッぺらな脣からお獅子のような金歯を見せて世辞笑いをする。

「じゃ丁度好い都合だ。御相談というのは何かあの子のことで。」

「はい。小園さんのことで。丁度誰も家にはいないそうですから、今の中御話をしてしまいましょう。」と切り出した周旋屋山崎のはなしを聞くと、お君は房花家へ抱えられると早々、どっちから手を出したのか知らないが、今では主人の持ものになり、ごたつき返した末女房同様の姉さんは追出されてしまった。ついてはどうにとも師匠の気がすむようにしようから、綺麗に小園さんを下さるようにと、主人から依頼されているのだと云う。事の意外にわたしは何とも言えず山崎の顔を見詰めていると、

「師匠、お察し申します、恥を言わねば理が聞えない。実はあの子にかかっちゃ、手前も一杯くっているんで御在ますよ。」

「何だ。お前さんも御親類なのか。」

「手前は、あの子がまだ房州にいる時分の事で、その後は何のわけも御在ませんが、何しろ十六の時から知っていますから、あの子の気質はまんざら分らない事も御在ません。