Japanische Klassiker mit Furigana
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あぢさい
花火・来訪者 他十一篇
永井 荷風
Lesen Sie 花火・来訪者 他十一篇 (あぢさい) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.046 Zeichen · 104 Bildschirme
」
「そうか。じゃ大分わけがありそうだな。」
「へえ。まんざら無いことも御在ません。親爺やお袋の墓は何年も棒杭のままで、うっちゃり放しにして置きながら、頼まれもしない女の石塔を建ててやるなんて、いい年をしていつまで罰当りだか、愛想がつきます。石がたしか十円に、お寺へ五円、何のかのと二拾円から掛っています。」
「どこの芸者衆だ。」
「葭町の房花家という家にいた小園という女で御在ます。」
「聞いたことのあるような名前だが。」
「いえ。とても旦那方の御座敷なんぞへ出た事のあるような女じゃ御在ません。第一看板がよくない家でしたし、芸もないし、手前見たようなものでも、昼日中一緒につるんで歩くのは気が引けたくらいで御在ましたからね。芸者の位というものは見る人が見るとすぐわかるので御在ますからね。」
寺の門前に折好く植木屋のような昔風の家づくりの蕎麦屋が在ったので、往来際の木戸口から小庭の飛石づたい、濡縁をめぐらした小座敷に上って、わたしは宗吉のはなしを聞いた。
× ×
「もうかれこれ十四、五年になります。手前が丁度三十の時で御在ました。始めて逢ったのは芳町じゃ御在ません。