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Japanische Klassiker mit Furigana

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わかすぎさいばんちょう

若杉裁判長

菊池 寛

Lesen Sie 若杉裁判長 (わかすぎさいばんちょう) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.238 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

その時にふと、将来法律を学んで、こうした無辜の人々のために、侃諤の弁を振ってみようかという考えが、若杉さんの心に浮びました。

若杉さんが、法科を選んだ遠因は、おそらくそこにあるのでしょう。が、直接の原因は、自分の尊敬する森田君が、急に文科を見限って法科に転じたためでしょう。その頃は、まだ今のように、法科生過剰の現象はありませんでしたから、法科へ転科するのは、今よりもずっと容易でした。が、弁護士になるはずであった若杉さんは、弁護士があまりに世俗的な、あまりに実際的な商売であるのに、嫌気がさし、卒業間際になってから、志を翻して、司法官になったのです。

こうした経歴を持っている若杉裁判長が、普通の裁判官に比して、より内面的で、より人道的で、悪人や罪人を普通の人間とはまったく違った生存物だと見るような弊が少しも無かったのも当然だと思われます。その上若杉さんの罪悪観には、キリスト教的の分子が、よほど多量に含まれていた上に、すべての犯罪においても、人間的な動機を十分汲み取ることができたので、どうしても罪人を憎みきれなかったのでしょう。この罪人の血管を流れている血も、俺の血管を流れている血も、そう大した相違があるものではないという、裁判官としてはあまりに人間的に過ぎた信念が、常に若杉さんの裁判心理の中に動いていたのでしょ