Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わかとのじょなんき

若殿女難記

山本 周五郎

Lesen Sie 若殿女難記 (わかとのじょなんき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.611 Zeichen · 45 Bildschirme

Aozora Bunko

「そいつは面白えな」若さまは乗気になって巻紙を取上げた。「そのほう不忠者ども、下れおろうーってえわけだな、音羽屋あとくるところか、しかしおれがそう云うだけで利くかしらん」

「下拵らえしてあるんだ、若殿御詰問の儀ありということで、明日の御前会議はもう定っているし、罪条摘発があれば後はわれわれが始末をする、だがしくじったら大変なことになるぞ、もしおまえが下手なまねをすれば」

「縛り首か、大丈夫うまくやるよ、おまえさんたちがあっと云うくらいうまくやってみせらあ、本当だぜ」

「とにかく稽古をつけてやる、そこへ坐れ」

それから一刻あまり四人がかりで教え、これなら間違いあるまいというところでその夜は別れた。その翌日でござる、読者諸君、奸悪無道なる一味は、巧みに病床の伯耆守を動かして重職一統を召集し、いかがわしき若殿を傀儡にいよいよ御為派追放を計り申した。――黒書院上段には伯耆守が病床のまま臨席なされた。全重職十六名が下に居並ぶ。若殿は上段際に着座され、次で側用人松田久弥が控えた。

「――みな出たか」若さまがまずこう発言をなされた。「今日は思う仔細あって皆の者を呼んだ、いずれも多用のところ大儀である」