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Japanische Klassiker mit Furigana

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くさめいきゅう

草迷宮

泉 鏡花

Lesen Sie 草迷宮 (くさめいきゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.733 Zeichen · 142 Bildschirme

Aozora Bunko

どれもどれも、碌でなしが、得手に帆じゃ。船は走る、口は辷る、凪はよし、大話しをし草臥れ、嘉吉めは胴の間の横木を枕に、踏反返って、ぐうぐう高鼾になったげにござります。

路に灘はござりませぬが、樽の香が芬々して、鮹も浮きそうな凪の好さ。せめて船にでも酔いたい、と一人が串戯に言い出しますと、何と一樽賭けまいか、飲むことは銘々が勝手次第、勝負の上から代銭を払えば可い、面白い、遣るべいじゃ。

煙管の吸口ででも結構に樽へ穴を開ける徒が、大びらに呑口切って、お前様、お船頭、弁当箱の空はなしか、といびつ形の切溜を、大海でざぶりとゆすいで、その皮づつみに、せせり残しの、醤油かすを指のさきで嘗めながら、まわしのみの煽っきり。

天下晴れて、財布の紐を外すやら、胴巻を解くやらして、賭博をはじめますと、お船頭が黙ってはおりませぬ。」

「叱言を云って留めましたか。さすがは船頭、字で書いても船の頭だね。」

と真顔で法師の言うのを聞いて、姥は、いかさまな、その年少で、出家でもしそうな人、とさも憐んだ趣で、

「まあ、お人の好い。なるほど船頭を字に書けば、船の頭でござりましょ。そりゃもう船の頭だけに、極り処はちゃんと極って、間違いのない事をいたしました。