Japanische Klassiker mit Furigana
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くさめいきゅう
草迷宮
泉 鏡花
Lesen Sie 草迷宮 (くさめいきゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.733 Zeichen · 142 Bildschirme
」
「どうしたかね。」
「五人徒が賽の目に並んでおります、真中へ割込んで、まず帆を下ろしたのでござります。」
と莞爾して顔を見る。
いささかもその意を得ないで、
「なぜだろうかね。」
「この追手じゃ、帆があっては、丁と云う間に葉山へ着く。ふわふわと海月泳ぎに、船を浮かせながらゆっくり遣るべい。
その事よ。四海波静かにて、波も動かぬ時津風、枝を鳴らさぬ御代なれや、と勿体ない、祝言の小謡を、聞噛りに謳う下から、勝負!とそれ、銭の取遣り。板子の下が地獄なら、上も修羅道でござります。」
「船頭も同類かい、何の事じゃ、」
と法師は新になみなみとある茶碗を大切そうに両手で持って、苦笑いをするのであった。
「それはお前様、あの徒と申しますものは、……まあ、海へ出て岸をばして御覧じまし。巌の窪みはどこもかしこも、賭博の壺に、鰒の蓋。蟹の穴でない処は、皆意銭のあとでござります。珍しい事も、不思議な事もないけれど、その時のは、はい、嘉吉に取っては、あやかしが着きましたじゃ。のう、便船しょう、便船しょう、と船を渚へ引寄せては、巌端から、松の下から、飜然々々と乗りましたのは、魔がさしたのでござりましたよ。