Japanische Klassiker mit Furigana
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くさめいきゅう
草迷宮
泉 鏡花
Lesen Sie 草迷宮 (くさめいきゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.733 Zeichen · 142 Bildschirme
小次郎法師は、別に心にも留めなかったが、不意の笑声に一驚を吃して、和郎の顔と、折敷の団子を見較べた。
「串戯ではない、お婆さん、お前は見懸けに寄らぬ剽軽ものだね。」
「何でござりますえ。」
「いいえさ、この団子は、こりゃ泥か埴土で製えたのじゃないのかい。」
「滅相なことをおっしゃりまし。」
と年寄は真顔になり、見上げ皺を沢山寄せて、
「何を貴方、勿体もない。私もはい法然様拝みますものでござります。吝嗇坊の柿の種が、小判小粒になればと云うて、御出家に土の団子を差上げまして済むものでござりますかよ。」
真正直に言訳されて、小次郎法師はちと気の毒。
「何々、そう真に受けられては困ります。この涼しさに元気づいて、半分は冗戯だが、旅をすれば色々の事がある。駿州の阿部川餅は、そっくり正のものに木で拵えたのを、盆にのせて、看板に出してあると云います。今これを食べようとするのを見てその人が、」
と其方を見た、和郎はきょとんと仰向いて、烏も居らぬに何じゃやら、頻に空を仰いでござる。
「唐突に笑うから、ははあ、この団子も看板を取違えたのかと思ったんだよ。」
「ええ、ええ、いいえ、お前様、」