Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
くさめいきゅう
草迷宮
泉 鏡花
Lesen Sie 草迷宮 (くさめいきゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.733 Zeichen · 142 Bildschirme
ですから何だかその娘ばかりは、思うように遊べない、勝手に誘われない、自由にはならない処から、遠いが花の香とか云います。余計に私なんざ懐くって、(菖ちゃんお遊びな)が言えないから、合図の石をかちかち叩いては、その家の前を通ったもんでした。
それが一晩、真夜中に、十畳の座敷を閉め切ったままで、どこかへ姿をかくしたそうで。
丑年の事だから、と私が唄を聞きたさに、尋ねた時分……今から何年前だろう、と叔母が指を折りましたっけ……多年になりますが。」
三十一
「故郷では、未婚の女が、丑年の丑の日に、衣を清め、身を清め……」
唾をのんで聞いた客僧が、
「成程、」
と腕組みして、
「精進潔斎。」
「そんな大した、」
と言消したが、また打頷き
「どうせ娘の子のする事です。そうまでも行きますまいが、髪を洗って、湯に入って、そしてその洗髪を櫛巻きに結んで、笄なしに、紅ばかり薄くつけるのだそうです。
それから、十畳敷を閉込んで、床の間をうしろに、どこか、壁へ向いて、そこへ婦の魂を据える、鏡です。
丑童子、斑の御神、と、一心に念じて、傍目も触らないで、瞻めていると、その丑の年丑の月丑の日の……丑時になると、その鏡に、……前世から定まった縁の人の姿が見える、という伝説があります。