Japanische Klassiker mit Furigana
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こうやのふゆ
荒野の冬
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 荒野の冬 (こうやのふゆ) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.098 Zeichen · 9 Bildschirme
宿へ帰って夕食をしながら、いろいろ話をきいてみた。案外に顔立のととのった健康そうな娘さんが給仕に出て、こんな家でも毎日二、三人はお客さんがありますとか、この街にも豆腐屋が二軒ありますとかいう話をしてくれた。もっとも皆半農の生活をしているということで、米は採れない土地だということであった。
加賀団体とか、越中団体とかいう人たちはまだ少し残っているが、牧場は一つもなくなってしまったという話であった。私には、無くなった牧場のことよりも、まだ少し残っているという加賀や越中の人々のことの方が、何となく身に沁みて考えられた。
こういう所を廻ってみると、気候学の範囲とか、拓殖の方針とかいうものについても、いろいろな問題が心に浮んで来る。しかしどうもこういう土地に住む人たちの人生ということに、頭がとらわれ勝ちになっていることが、自分でも気がつく。それではとても大規模な拓殖計画などは立てられそうもない。やはり為政者としてやる場合には、入植者何百名、開墾地何千町歩というふうに、実際の開拓の人々の人生や生活から抽象した或る種の数字だけで、万事を切り盛りするより仕方がないのであろう。